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2018.02.18 (Sun)

Darling Sweeper 20話



月曜日──


「おはよう、亜里沙」
「おっす」
「おはよう──って…あれ?ふたり一緒に来たの?」


亜里沙がぽかんとした表情を私達に見せた。


「あぁ、一緒に出勤だ」
「詠二、声、大きい」
「えっ?何、ふたり、付き合うことになったの?!」

「付き合うっていうか…其の…」

「まぁ、お試し期間って感じかな?」


詠二の云った『お試し期間』という言葉が少しチクッと胸に刺さった。


(なんだか詠二に申し訳ない)


「えぇ?!どういう事よぉぉー」


訳が解らないと云う亜里沙に何処まで話したらいいものかちょっと考える私だった。



今日から私と詠二は駅で落ち合って一緒に出勤する事にしていた。


一緒に出勤だなんてなんだか子どもっぽい感じかなと思ったけれど、中々新鮮で愉しかった。


元々詠二と話をするのは愉しかったから、一緒の時間が増えたというよりお喋りの時間が増えたという感覚だった。



本社ビルのロビーに入ると、受付付近で女性社員と喋っている内野宮さんが目に入った。


(うっ!朝一で逢っちゃうなんて)


入った瞬間、内野宮さんは私に気がついたようだったけれど、すぐにふいっとそっぽを向いて女性社員と話を続けていた。


其の動向が何故か私にはとてもショックな事で、内野宮さんに無視されるというのが思った以上に堪えてしまっている私だった。


「大丈夫か、恵麻」
「え」


急にグッと肩を抱かれた。


私のおかしな様子に気がついてくれた詠二が気を使ってくれたらしい。


「う…うん、大丈夫…ありがとう、詠二」


私は内野宮さんの横を通り過ぎる時にあえて詠二の方を向いて内野宮さんを視界に入れないようにしたのだった。


(まだ内野宮さんを冷静に見るには…辛過ぎる)


胸が痛くて仕方がない。


失恋した胸はこんなに痛むのだろうか。


今までまともな恋をして来なかった私にはとては辛い経験だった。




昼休み──


携帯に着信メールが入っていたのに気がついて見た。


【こんにちは恵麻ちゃん。明後日の夜に時間が取れたのだけれど一緒にお食事、如何ですか?】


其のメールは社長からだった。


(食事の約束、覚えててくれてたんだ)


社長が私とした約束を覚えててくれた事が嬉しくて、私は直ぐに返信メールを送った。


【私は大丈夫です。是非お供させてください】


私は社長に話したい事が沢山あった。


其れは社長にしていい話なのかどうか迷ってしまう内容だけど…


何故か私にとって社長は、勤め先の社長というよりも昔馴染みの【奈木野さん】というイメージが強くてしょうがなかったのだった。



そして其の日の夜──


一日実習の訓練で疲れた体を引きずって家路に着いた私だったけれど、ふと遠目に見えるアパート前に人影があるのを見つけ一瞬にして気持ちが高鳴った。


(もしかして)


私は疲労困ぱいの体を奮い起こして急いでアパートに駆け寄ったのだった。


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