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Dizzy Love 6話



しばらくして諒さんは私に温かいココアを出してくれた。


「…ありがとうございます」
「どういたしまして──というかのんちゃん、俺に敬語なんか使わなくていいよ」
「え…で、でも…」
「俺が厭なんだ」
「……あ…じゃ、じゃあ…なるべく使いませ──使わない…ね」
「うん、ありがとう」


ニッコリ笑いながら諒さんはコップに水を注いで、何かの薬を取り出し飲んだ。


「諒さん…具合悪いって云ってたけど…大丈夫?」


ゴクゴクと水を飲む度に上下する喉仏が少しセクシーで私はドキッとした。


「あぁ…ただの偏頭痛だよ。薬飲めば治るから大丈夫」
「…そう」


よかったとホッと息をついた。


私の向かい側に座った諒さんは「何かお茶菓子あったっけ」と云いながら茶箪笥を開けて探していた。


「諒さん、私お菓子いらないよ?おかまいなく」
「あれ?昔はお菓子好きだったのに…もしかしてダイエット中?」
「えっ!…そ…其れは──」


ズバリ云われてしまって焦った。


体重はさほど気にする事はない程度のものだったけれど、妙に女々している体が嫌いだった。


この体に制服が似合っていないという気がしてならないのだ。


(こんな体だから男子に変な噂立てられちゃうんだ)


私にとって豊満な体つきはコンプレックスだった。


「のんちゃん、気にし過ぎ。全然太ってなんかないんだから成長期にはちゃんと食べなくっちゃ」
「で、でも…子どもなのにこんな体で…」
「俺は魅力的だと思うけどね」
「え」


お菓子を探すのを止めた諒さんが座卓をグルッと回って私に近寄って来た。


「中身と外見が伴わない微妙な感じ…ソソられるよ」
「!」


耳元で囁かれ一気に体中の血液が沸騰したかのように熱くなった。


「あっ…あの…あの、りょ、諒さん…」
「…なんて、ごめんね。セクハラ親父みたいな事云っちゃって」
「え…」


少しだけ期待した気持ちは直ぐに拒否された。


「のんちゃんは充分魅力的だよ。だから決して自分を安売りしないで、本当にのんちゃんを大切にしてくれる男が現れるまで其の体を大事にするんだよ」
「…」


どうしていつもそんなに優しい言葉を云ってくれるのだろう。


思えば幼い頃から諒さんはいつもいつも優しかった。


私の事をひとりの女の子として見てくれて、私という存在そのものを見ていてくれていた。


そんな諒さんを私は…


私は──


「えっ、何、どうしたの?!のんちゃん」
「……」


気がついたのは諒さんの言葉でだった。


私はボロボロ泣いていた。


「のんちゃん、何処か痛いの?!」


優しく私の額に手をやったり体を擦ってくれたりする諒さんに私は云ってしまった。


「私…りょ…諒さんが………好き」
「…え」


一瞬体を硬直させた事で諒さんが動揺していると解った。


其れはそうだろうなと思う。


息子の同級生の小娘に好きなんて告白されたら動揺しない方がおかしいと思ったから。


「のんちゃん…冗談はや──」

「冗談じゃない!私はずっと…ずっと諒さんが好きで…諒さんが欲しいって思っていた!!」
「!」


普段の私からは想像もつかないような発言と声の大きさに諒さんはすごく驚いたみたいだった。


「…」
「…」


しばらくお互い見つめ合って身動きひとつ出来ない状況が続いた。


其れを破ったのは諒さんだった。


「ありがとう、のんちゃん。こんな俺を好きとか欲しいとか云ってくれて」
「…」
「いやぁ…まさか30過ぎて女子中学生から告白されるとは…俺もまだまだホストとしてイケてるかな?」
「…」


なんとなく直感で解った。


諒さんは私を受け入れてくれないって──


告白をなかった事にはしないだろうけれど、私が望むような返事はくれないんだろうなと…


そう思ったのだった。


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