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Dizzy Love 12話



「実は私…ずっと好きな人がいて…其の人と…付き合っているの」
「え」


相手が諒さんだという事は隠して私は続けた。


「ちょっと…年の離れた大人だから其の…私に色々してくるんだけど…最後までは絶対にしないの」
「…」
「私は…其の人が好きだから最後までしてもいいなって…ううん、して欲しいなって思っている」
「…」
「だけど『大人になったらな』って云うばかりでちっともしてくれないの」
「…」
「ねぇ翔ちゃん、大人になるって…セックスをしたら大人になったっていうのかな?」
「…は?」
「だ、だから…私がセックスを知らないからまだ子どもって事で…セックスを知ったらもう大人だって云えるんじゃないのかなって思うの」
「な、なんだよ…其の考え…」

私はずっとそう考えて来た。


諒さんが私をちゃんと抱いてくれないのは処女の私が嫌いだからなのかなと。


諒さんの周りに群がっている綺麗な女の人はみんなそういう事が上手そう…というか経験豊富な人たちばかりだ。


だからいつまでも子どもの私を諒さんは本気で相手にしてくれないんじゃないかと、そう思っていたのだ。


「のん、おまえの好きな奴って…」
「そ、其処ら辺は触れないでくれたら嬉しいな」
「…」
「私…其の人につり合うような女になりたいの──大人の女に…」
「…」
「だ、だから…もし翔ちゃんがもう…セ、セックスした事があって…わ、私にもしてやってもいいって思ってくれたら…して、くれないかなって…」
「はぁ?!」


翔ちゃんは其れは物凄く驚いた声を出した。


其れはそうだろうなと思う。


だって二年前に未遂とはいえそういう事があって、其れで気まずくなった私たちだったのに…


あの時私は、翔ちゃんの其の行為に泣いて抵抗していたのに…


其れなのに今になってなんて事を云っているのだろうと私自身呆れた。



其れだけ私は諒さんによって変えられていたのだ──


「のん…おまえ…何云ってるのか解っているのか?」
「…うん」
「普通は…初めての男って気にするもんじゃないのか?女って」
「…そうかも知れないけど…私にとっては…今の私にとっては『処女』でいる事の方が辛い」
「……」
「ちゃんとセックスを知って…もう子どもじゃないって解ってもらって…あの人に抱いてもらいたいの」
「…のん…おまえそんなに」
「好き。どうしたってあの人の事が好きで…好きで仕方がないの!ずっとずっとあの人の事が…あの人の事だけが好きなの!!」

自分でも馬鹿みたいだと思うくらい感情的になって翔ちゃんに訴えていた。


鬱積した諒さんへの想いを…


仮にも息子である翔ちゃんにぶちまけているなんて…本当に私は馬鹿で愚かな女だなって思った。


そんな私を複雑そうな表情で見ていた翔ちゃんは暫く何かを葛藤している様な仕草をした。


だけどやがて何かを吹っ切るように大きく頭を左右に何回か振った後、私の傍に来ていきなり押し倒した。


「!」
「──後戻り…出来ないぞ」
「え」
「…一度…やっちまったら取り戻せない事をするんだぞ」
「…」
「本当にいいのか?──俺と…していいのか?」
「……うん」
「後悔、しないんだな」
「……うん」
「解った」



翔ちゃんは何度も何度も引き返す機会を与えてくれた。


この時の私はそんな翔ちゃんの気持ちなんて知る事はなかった。


ただ私は大人になりたかった。


大人になって諒さんに抱いてもらう事しか考えていなかった。



私は大人になる事の本当の意味を履き違えていた馬鹿な子どもだったのだ──


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