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Darling Sweeper 12話



其処に座れと云われ座った。


内野宮さんが此処に来る前に寄ったコンビニで買った缶コーヒーを「どうぞ」と勧められた。


(私の分まで買っていたんだ)


そう思ったらなんだか妙にドキドキしてしまった。


缶コーヒーをひと口飲んだ内野宮さんは其の缶をテーブルに置いて、そしていきなり私の前で土下座した。


「すまなかった!!」
「! なっ、何ですか…突然…!」


私は飲んでいた缶コーヒーを噴出しそうになった。


「──あの日…おまえと飲みに行った時の事…なんだけど」
「…あ」


瞬時にしてあの夜のホテルでの出来事を思い出した。


「ごめん…まだ、恵麻の中では消えない傷になっていると思うけど…今から話す事で更に傷つくか、其れとも逆か…俺には解らないけどとりあえず真実を話す」
「真実?」

「本当は新入社員に云ってはいけない真実だけど、恵麻にだけは真実を話して誤解を解きたい」

「そんな大切そうな話、していいんですか?」

「いい、俺権限で話す」


(俺権限?)


其の言葉に少し違和感を感じたけれど、真剣な眼差しの内野宮さんの話の腰を折る事は出来なかった。


「あれは…嘘だ」
「……嘘?」
「おまえが…俺に研修試験に受かる様に何とかして欲しい、其の見返りに私自身をあげると云った事 」
「え」
「酔ったおまえを俺はおまえの家が何処か詳しく解らなかったからとりあえずホテルに寝かせたってだけで、体を強要する理由はなかったって事」
「!」
「詳しい事は…おまえにも話せないけど、俺は人事部からの命令で毎年新入社員を含めた社員の査定をしているんだ」
「さ、てい?」
「そう、いわゆる不正社員のあぶり出し。まぁ其の辺の詳しい事は知らなくていい。新入社員には甘い言葉を囁いてどのくらいで誘いに乗ってくるかって調査を兼ねて…恵麻の時みたいな状況を作って洗い出しをしているんだ」
「……」
「汚い仕事をやっていると思っている。だけど俺はこの仕事を軽んじていない。現に今までにも何人かの不正社員を洗い出して解雇して来た」
「……」
「企業っていうのは大きくなればなるほど表でやっている事の綺麗事に比例して汚い部分っていうのが蔓延るものなんだ。だから俺みたいな仕事を請け負っている人間が何人かいる」
「え」
「男性社員には女、女性社員には男、其々異性をターゲットにして接触している」
「……」
「本当は恵麻には…別の奴が接触するはずだったんだけど…恵麻には俺がつきたかった」
「どう…して」
「正直、どうしてなのか解らなかった。初めて逢った時…あの床で滑った恵麻に駆け寄った時から──気になっていたからかもしれない」
「…あの時から」
「何度も喋る様になって、段々恵麻の事を知る様になってからは正直査定行為をするのを躊躇った」
「……」
「だけど俺は仕事として…恵麻の本意を確かめなくてはいけなかった。だからあの夜、恵麻をホテルに連れて行って…目覚めた恵麻にああいう態度を取った」
「……」
「正直恵麻が俺の誘いに乗らなくてホッとした。だから其の場で本当の事を云おうと思った。だけど其れを云う前に恵麻が俺に云った言葉が…俺の想像していなかった言葉で」
「……」
「俺は其の時点では恵麻の事、どうしてこんなに気になるのか解らなかった。勿論好きとか…そんな気持ちは知らなかった。ただ単にお気に入りの女のひとりだと思っていただけで」
「……」
「俺はある事情から本当の意味で女を好きになった事がなかった。そもそもひとりの女を好きになるという感覚が解らない。黙っていても相手になる女はいくらでもいたから。来たい奴は来ればいい。そうやって今まで気になった女とは…そんな付き合いばかりして来た」
「……」
「だけどあの夜からどうしてかおまえの事が頭から離れない。俺の事を気に入らない女なら俺は気にしなければいい。相手にしなければいいだけの話だ。そう思おうとした。だけど…どうしても気になるんだ」
「……」
「恵麻の事が…気になって仕方がない」
「……」
「だから確かめたかった。俺は本当はおまえの事が好きなんじゃないのかって事を」
「……ぇ」
「好きという感情をどうやって知ればいいのか考えあぐねていて…とりあえずあの夜の事を謝罪しようと思っておまえの部屋に来たんだけど…」
「……」
「──其れで確信した。俺、やっぱりおまえの事、好きみたいだ」
「!」
「俺、異常なくらい綺麗好きで汚い奴は勿論、汚い場所っていうのには酷い嫌悪感を感じるんだけど…恵麻の部屋の汚さを見ても嫌悪感が湧かなかった。其れどころか…何かをしてやりたくて仕方がないって気持ちになった」
「……」
「下着だって…そんなもの見慣れているはずなのに…恵麻のだって思うだけでどうしてかこんなに胸が疼くんだよ」
「~~~」
「…俺は今まで女にだらしがなかった。そういう意味ではやっている仕事と同じくらい汚い男だ。純真無垢で綺麗な恵麻にはふさわしくない男かも知れない、だけど」
「…あっ」


急にギュッと抱きしめられた。


「俺はどうしてもおまえが欲しい。俺だけものにしたいんだ。だから俺と付き合ってくれ」
「…う、内野宮さん」






(どうしよう~~)


同じ日に男の人ふたりから告白をされてしまいました!


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