Bitter&Sweet 3話



指定された部屋まで行き扉をノックした。

すると扉が開き、伊志嶺さんが顔を覗かせた。

「あ、あの…父は」
「…」

私の問いかけに答える事無く、扉を大きく開けて中に入る様に促された。

(もう、お父さんが出て来なさいよ)

伊志嶺さんに面と向かって「帰ります」とは云い辛かったので仕方がなく部屋に入って父を捜した。


「…あれ」

だけど部屋の中には誰もいなくて特に酒盛り的な用意もされていなかった。

「お父さん?何処」

トイレに入っているのだろうか──と思い振り向いた瞬間

「!」

いきなり伊志嶺さんが私を抱えてベッドに押し倒した。

「なっ」
「…」

伊志嶺さんの大きな体が私に覆いかぶさって身動きが取れなかった。

「あ、あの…」
「…」
「こ…これは、一体…」
「…」

どうしたって厭な予感しかしなくて体が小刻みに震えて来た。

そんな私に伊志嶺さんは性急に唇を重ねて来た。

「?!」

(キス──?!)

「んっ、んん!」
「…」

強く唇を押し付ける強引なキスに体中を使って抵抗するも、全くビクともしない。

其れをいい事に伊志嶺さんにいい様に唇を貪られてしまった。

(厭!厭厭厭!!)

おじさんとのキスに嫌悪感が競り上がって来て激しく身動ぎする。

だけど私の抵抗も虚しくキスは深いものになって行き、舌が絡み合う様な濃厚なものへと移行した。

「んっ、ふぅ、んんっ」
「…」

くちゅくちゅと舌同士が絡み合う一種独特の粘着質の音が静かな部屋に響く。

求められるまま舌を蹂躙され、私は既に強く抵抗する事を諦めてされるがままになってしまっていた。

(こ、これ…何っ)

こんな濃厚なキスは初めてだった。

勿論キスはした事がある。

舌が絡み合う様なキスだって多くはないけれど経験済みだ。

だけど今されているこのキスは今までのどのキスにも当てはまらないキスだったのだ。

「ん…あっ」

段々頭や体がジンジンと痺れて来て、何処も彼処も力が入らない様になって来た。

そんな私をキスをしながらジッと見つめていた伊志嶺さんが手慣れた様に私の衣服を脱がして行った。

「やっ!」

流石の私も其れには素早く反応して、精一杯抵抗した。

だけどキスの余韻の残るふにゃふにゃになっている体は思う様にならず、あっという間にあられもない姿にされてしまっていた。

(なんで…なんでこんな事に!)

まるで嵐の様な怒涛の展開に私の頭は上手く回っていない状態だった。

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