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2018.02.08 (Thu)

Darling Sweeper 10話



内野宮さんに連れて来られた定食屋さんで食べた煮魚定食はとても美味しかった。


「はぁー美味しかったぁー」
「そうだろう?まぁどのメニューも大抵美味いんだけどな」


定食屋さんを後にした私たちは駅に向かって歩いていた。


周りはすっかり暗くなっていて、チラッと時計を覗くと20時過ぎを差していた。


(結構長居していたんだなぁ)


食べながら思いのほか話が盛り上がってしまったのには驚いた。


内野宮さんと話していると、あっという間に時間が過ぎるのは確かだった。


(やっぱり…話していると愉しい)


ついそんな事を考えてしまう。


「あ、ちょっとコンビニ寄ってもいい?」
「じゃあ私、このまま帰ります。駅ももう其処だし──」


どうせ内野宮さんと一緒なのは駅までだったので、私はコンビニ前で別れようと思った。


──なのに


「ダメ」
「え?」
「ひとりで帰るな」
「…え?どういう──」
「送って行く」
「は?」
「だからちょっと待ってろ」
「……」


そう云って内野宮さんはコンビニの中に入って行った。


(どういう事だろう?)


送って行く──といっても、内野宮さんの自宅は私の家とは反対方向だったはず。


(前に家の事話した時にチラッと云っていたよね?)


私が戸惑っているうちに内野宮さんは小さな袋を手にコンビニから出て来た。


「さ、行こう」
「あの…大丈夫ですよ?」
「何が」
「私ひとりでもちゃんと帰れます。今日は酔っていませんし」
「…」
「…内野宮さん?」
「──あのさ…恵麻」
「は、はぃ」


また名前を呼ばれてドキッとした。


(な、なんで…こんなにドキドキするのぉぉー)


焦っている気持ちを隠すように、私は表面上の平静さを保つ事に必死だった。


「話…ちゃんとしたいと思って」
「…話?」
「本当の事…恵麻に話したいと思って」
「? 本当の事って」
「此処ではちょっと…」
「じゃあ何処で」
「家、行っちゃダメか?」
「家?誰のですか?」
「恵麻の」
「…」
「恵麻の家に行きたい」
「……」


(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー!!)


な、なんでそんな…っ


「ダメか?」
「ダ、ダメかって…い、いきなり…そんな…」
「どうしてもハッキリしたいし、話したいし…確かめたいんだ」
「な、何を」
「俺自身の気持ち」
「は?」
「本当どーしてもここ数日おかしいんだよ、俺。どうしても恵麻の事が気になって仕方がない」
「え」
「実は俺、恵麻に隠していた事があるんだ…だから其の話と…俺のこの気持ちの検証をしたいなって」
「…」
「だからじっくり話、したいんだよ、恵麻と」
「……」
「だから──」
「……解り…ました」
「え」
「お話…訊かせて、ください」
「恵麻」


私はなんでこんな事を云ってしまったのだろう。


どうして内野宮さんの話を訊きたいと思ってしまったのだろう。


何処かでまだ信じたかったんだろうか?


本当の内野宮さんは…


私のイメージ通りの人なのだと信じたいという事なのだろうか──?


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