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Bitter&Sweet 34話

瞬く間に一週間は過ぎ、あっという間にいけばな教室のある当日になった。「確か今日は教室だったな」「はい、午後から行って来ます」「ん」朝食の席で交わす源治さんとの会話。「奥様、お教室には着物で行かれるのですか?」お茶を淹れながら澄子さんも話に入って来た。「いえ、そんなに本格的な教室じゃないんです。講師の先生も洋服でしたし」「しかし着物を着ていく機会もあるだろう」「えぇ…そうですね」そういえば年に何回か...

Bitter&Sweet 33話

ポチャンと天井の滴が湯船のお湯に落ちた。「──ふぅ」「…」これもいつもの恒例のセックス後のお風呂の時間。私は源治さんに背中を預けてゆったりとお湯に浸かっている。「あぁ…極楽だ」「…ねぇ、源治さん」「ん」「源治さんって…いつから私の事を好きだったんですか?」「!」其の瞬間、バシャンと大きな水音が響いた。(明らかに動揺している)「な、何を、突然…」「だって…よく考えたら其処ら辺の事って訊いていなかったなぁと思...

Bitter&Sweet 32話

「どうした」「えっ」「また何か考え事か」「…いえ…あっ」源治さんと合流した私は其のまま源治さんお勧めの料理屋さんで美味しい食事を頂いてから帰宅した。そしていつもの様に濃厚な夜の営みの最中──「今日は…少し乾いているな」「え…そんな事──ひゃっ!」云い終わる前に源治さんは私の秘所を舐め出した。「ふわっ…あっ…あぁん…あん」ペチャペチャと粘膜を擦りつける音とチュッと吸い付く音が続き、中からトロッと愛液が湧いて来...

Bitter&Sweet 31話

(え…あれ?この人…)電話をしている私をジッと見ている其の人は、なんと先刻話に出ていたカリスマ主婦の北原彩奈、其の人だった。『おい、由梨子?訊いているか』「あ!…はい、訊いています」『だから駅に着いたら其処で待っていろ、迎えに行くから』「はい、解りました」電話は源治さんからで、夕方以降の仕事が先方の都合でキャンセルになったために今夜は外で食事をしようというお誘いだった。通話終了ボタンを押して、背けて...

Bitter&Sweet 30話

「本日はいけばな体験教室にお越しいただきましてありがとうございます」源治さんからお赦しを得た華道教室へはとりあえず体験教室から始める事にした。屋敷からわりと近場にある其の教室は、いけばな素人の私でも名前ぐらいは聞いた事のある有名な流派のスクールだった。時間が平日の昼間──という事もあって、あまり同世代の人はいないように見受けられた。最初に今日扱う花について勉強をした。勉強なんて短大を卒業して以来だっ...

Bitter&Sweet 29話

春の嵐の様な怒涛の結婚騒動から早三ヶ月が過ぎようとしていたとある日。「華道教室?」「はい、通わせてください」「…」私はすっかり伊志嶺家に馴染み、源治さんともかなり砕けて話せる様になっていた。「庭に咲いているお花を活けたいんです」「花なんて適当に切って花瓶に挿しておけばいい」「其れじゃあつまらないです」「つまらない?」ほんの数ヶ月前なら強面の源治さんに口答えなんてとんでもない事と思っていたけれど、今...

Bitter&Sweet 28話

何時間も愛され、既に足腰が立たない状態になっていた私は源治さんにお姫様抱っこをされながら寝室を移動していた。「今夜は此処で休もう」「…ごめんなさい」私のせいで使っていた寝室で寝る事が出来なくなった事を詫びた。「気にするな」「…本当に…恥ずかしい」この歳になってあんな事になるなんて私の中では有り得ないほどの恥ずかしさを感じていた。だけど源治さんが粗相をした私に厭な顔ひとつしないで、其れ処かそんな状態の...

Bitter&Sweet 27話

「結局其の一件で私はもう南さんとは付き合えないと思って…私から別れたんです」「…」「好き…だったけれど、どうしても…彼の要求には応えられなくて…」「…」「交際は一年にも満たなかったんです」「…」そして私はずっと黙っている源治さんの顔を真っ直ぐに見てはっきりと伝えた。「今は、今はもう何とも思っていない人です!私には源治さんが…源治さんしかいないから」「…」「祝賀会で再会した時は決して見惚れていた訳じゃなくて...

Bitter&Sweet 26話

源治さんに彼とのメールのやり取りを見られてしまった。其の事実に私は動かない体を震わせる事しか出来なかった。「──なんだ、これは」「!」携帯から目を離した源治さんはメール画面を私に向けながら問うた。「あ…あの…」「あの男と知り合いだったのか」「…」「由梨子!」「!」激しい怒号で名前を呼ばれ、私は恐ろしさのあまり上手く言葉が出て来なくなってしまった。「俺には云えない仲だった、という訳か」「ち…ちが…ち…」カタ...

Bitter&Sweet 25話

「奥様、其れでは指まで切ってしまいますよ」「えっ」夕食の支度中、澄子さんからよく通る声で云われハッとした。「旦那様に奥様の指でも食べさせるおつもりですか?」「そ!そんな訳ないです」私は慌てて包丁を放した。「刃物を扱っている時に考え事をなさってはいけません」「…はい」もっともな意見だ。最近は私も澄子さんに習って食事作りに加えさせてもらっていた。源治さんに美味しいものを手作りで食べさせたいという意欲か...

Bitter&Sweet 24話

祝賀会から数日後、相変わらず何処か余所余所しさが窺える源治さんとの距離に溜息をつく日々の中、携帯にメールが届いた。「…え」内容を見て驚いた。其処にはたった一行。【アドレス変わっていないんだね】「…」其れは明らかに彼からだった。私の携帯には既に彼のアドレスは消去済みだったので、届いたアドレスには覚えがなかったのだけれど、なんとなく直感で解った。(返信…ううん、しちゃダメ)私は其のメールを削除した。だけ...

Bitter&Sweet 23話

南 春登──彼は私が短大に入ったばかりの頃、合コンで知り合った3歳年上の大学生だった。カッコよくて明るくて、場の雰囲気を明るく盛り上げてくれるようないわゆるモテ男だった。『え、竹井さんのお父さんって建築士なの?』大学の建築学科に席を置いていた彼とはそんな会話がきっかけで意気投合して付き合う様になった。私にとっては初めての彼氏で、ファーストキスの相手でもあって、そして──「由梨子」「! あっ」ギュッと胸を...
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