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潤む愛 1話

彼は友だちの彼氏だった。「璃子、紹介するね、あたしの彼の滝沢潤くん!」「…」初めて彼を紹介された時、其のあまりにもイケメン過ぎる姿形にドクンと心臓が高鳴った。「潤、この子が璃子。高校に入ってからの友だちで──」「あ、あの…立花璃子、です」あまりジロジロ見るのは失礼かと思ったから少し伏し目がちに挨拶をした。だけど「ねぇ、潤、訊いてる?」「…」(? なんだろう)友だちが間に入って紹介し合っているのに、彼は...

潤む愛 2話

『…君、俺の母さんに似てる』滝沢 潤が私に云ったあの言葉が何故かずっと頭の中に残っていた。(あれってどういう意味なんだろう?)というか母親世代の人に似ているという事は、遠回しに私は老け顔だと云われたのだろうかと思いガッカリした。(自分では年相応だと思っていたんだけどなぁ)若干へこみがちに昇降口を出た私だった。不意に校舎を出た処で立っていた人に目を惹かれた。「あっ」「!」其の人と目が合い、いきなり声を...

潤む愛 3話

暫く抑えた笑いを続けていた彼は、やっとまともに話が出来る状態になった。「ごめんね、勘違いさせて」「…いえ」(私の勝手な勘違いです!)恥ずかしくて俯いたまま目を瞑っていた。「…そっか、だからあっさりと俺の誘いに乗ったんだ」「え」其の言葉に俯いていた顔を上げた。「ん?いや、なんかさ、一応面識があるとはいえ友だちの元彼がいきなり誘ったからって簡単について来る子じゃないと思っていたんだけど、いやにあっさりつ...

潤む愛 4話

生まれて初めて告白されました。しかも心の奥底でちょっと『いいな』と思っていた男の子に。(…夢?)夢だと思いたいけれど思いたくないという非常に矛盾した思考に憑りつかれてしまっている。『えっ!潤の方から告って来たの?!』「…ぅん」私は初めての事でどうしたらいいのか解らなくて悶々とする気持ちを友だちに電話で打ち明けた。『其れで?どうしたの、勿論OKしたんでしょう?』「其れが……保留という…事に」『はぁ?!何、...

潤む愛 5話

「あっ、璃子!こっちこっち」「はぁはぁ…ごめん、なさい、潤くん…遅れちゃって…」私はじっとりと濡れた額をハンカチで拭いながら待ち合わせ場所にやって来た。「そんなに走らなくていいのに。まだ待ち合わせの時間まで10分あるよ」「だって…其れをいうなら潤くんだって…早い」「お、俺は…其の」「其れに姿が見えたら…どうしても早く辿り着きたくて…はぁ…」「…!」私と彼が彼氏彼女という関係になって最初の休日、私たちは水族館デ...

潤む愛 6話

薄っすらと陽が暮れかかった頃、水族館の敷地内にある小さな遊戯施設の観覧車に乗った。「結構高いなぁ」「本当、遠くまで見渡せるね」向かい合って座っている私たちは少し興奮気味に外の風景を眺めていた。(…今、訊けるかな)私は静かな空間にいる今、思っていた事を訊こうと思った。「あの…潤くん」「ん?」「私、訊きたい事があるんだけど」「何?」「えっと…私と最初に逢った時、私に云った言葉、本当はどういう意味で云った...

潤む愛 7話

「えっ」「…お、お邪魔…します」私は訳の解らない汗をしっとりかきながら深々と頭を下げていた。そんな私を少し戸惑いがちに見つめる視線に(そりゃそうでしょう~~)と思った私は未だに頭が混乱していた。ほんの数時間前まで私は潤くんと水族館デートを愉しんでいた。私にとっては初めての彼との初めてのデート。愉しい事ばかりが過ぎた時間の終盤に、まさかこんな展開が待っていたとは思わなかった。「母さん、俺の彼女の立花璃...

潤む愛 8話

(初めてのデートでキスするのって早いんじゃないのかな?)そんな事をふと思ったけれど、恋愛経験のレベルがほぼゼロの私基準で考えるのも違うのかなと思った。「! ごめん、つい」「あ、う、うん…大丈夫…」潤くんは私の事が可愛過ぎてついキスしてしまったと云った。其の潤くんの言葉に私はキス以上に恥ずかしさを感じた。「俺、親に付き合っている彼女の事をちゃんと知ってもらいたいって気持ちが大きいんだよね」「え」「其れ...

潤む愛 9話

『…続き…また今度』あの日潤くんからそう云われて、あの時の続きをしたのはあれからごく短い期間だった。『今日、家に誰もいないんだ…だから』其の潤くんの言葉を受けて、少しの不安と緊張を胸に抱きながらも誘われた事はとても嬉しいと感じていたから…『…はい』私は素直にそう返事出来たのだった。「立花璃子ってどの子?」「!」ある日の教室内。いきなり入り口で名前を呼ばれドキッとした。少しざわついた室内の中、数人が私の...

潤む愛 10話

其の日の放課後も潤くんに誘われて潤くんの家にお邪魔していた。「ひゃぁん、あっ」「っ…はぁ…挿入った」「…んっ」初めての時は中々挿入って行かなくて、痛くて仕方がなくて泣いていた行為も回数をこなしていくと最初の時とは比べものにならない程気持ちのいいものになっていた。「璃子、痛くない?」「うん…大丈夫…」「そう、よかった」「…」優しく前髪をかき上げられて、額にチュッとキスされた。其の仕草に思わずドキッとしてし...

潤む愛 11話

「似ていないから似ていないって云ったのよ」翌日の学校で、何故か登校して直ぐに杏香さんに呼び出されて開口一番そう云われた。「…えっと…あの」「昨日潤ちゃんからメールが来て驚いたわ。璃子に謝れだなんて…今までの彼女にはそんな気遣いなかったっていうのに」(あ、杏香さん『潤ちゃん』って呼んでいるんだ)なんだか可愛いなと思って少し心がほっこりした。「あの…謝るとかそういうの、気にしないでください。私、何とも思っ...

潤む愛 12話(終)

杏香さんとの一件があってから数日。いつの間にか私と杏香さんは校内で見かけるとひと言ふた言話しかけるような関係になっていた。勿論気易い雰囲気はまだ持てなかったけれど、これから少しずつ近づいて行ける予感を窺い知れるこの程よい距離感がいいなと思っている私だった。「やぁ、いらっしゃい」「お邪魔します」ある日の休日、私は潤くんから久しぶりに休みに家族が揃うからという事でお宅に招待された。折角の家族団らんにお...
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