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ふたりで初めてを 1話

私は高校三年生の時、親の転勤の都合でひとり暮らしを始めた。最初は海外赴任になった父と共に家族全員で渡米する予定だった。だけど私は進学したい大学があるから日本に残りたいと云った。母は反対したけれど、自立したいのだという私の気持ちを尊重してくれた父のお蔭で何とか日本にひとり残る事が出来た。──だけど私が日本に残りたいと思った最たる理由というのはもっと別にあった。其れは…「おはよう、山岡さん」「あっ、お、...

ふたりで初めてを 2話

「其れでは当日、この段取りで進めて行きたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします」現生徒会長が会議を締め括る言葉を述べると静かだった会議室内は途端に騒がしくなる。「奈木野先輩、この後みんなでお茶しようって云ってるんですけどぉ」「先輩も是非一緒に行きましょう」「久しぶりに先輩に会えたんです!もっとお話したいです」「わっ、そ、そんなに押さないで」「…」生徒会役員は勿論、予餞会執行委員などの女子多数か...

ふたりで初めてを 3話

まさかこんな展開になるとは思わなかった──「凄い、大収穫だね」「う…うん」(嘘…嘘っ!まさか…まさかあの奈木野くんが…)「此処に置いていいの?」「あっ、うん」(奈木野くんが私の家に居るだなんてぇぇぇぇ──!!)話は簡単な事だった。夕方6時から値引きシールが張られるのを見計らって行ったスーパーに奈木野くんも同行して、何故か私以上に盛り上がって買い物をした奈木野くんのお蔭で荷物が多くなり、私の家まで奈木野くん...

ふたりで初めてを 4話

奈木野くんからの突然の告白に頭の中が真っ白になっている私。「…あの、山岡さん、訊いている…かな」「あ…あ…は、はぃっ」奈木野くんの端正な顔が私の顔を覗き込んで、一気に意識が戻って来た。「最初山岡さんと逢った時に『可愛いな』と思っていたんだ」「えっ!か、か、可愛い?!って…わ、私が?!」「うん。変に外見を着飾っていない、素朴な可愛らしさっていうのかな」「素朴…」「なんか高校生になった女の子ってお化粧したり...

ふたりで初めてを 5話

憧れていた彼とお付き合いを始めると決めた日から最初の休日、私はいきなり彼の家にお呼ばれしていた。其処で私はとても驚いた。「さぁ千春さん、どんどん食べて」「あ…は、はい」「恵太が彼女を連れて来るなんて初めての事だから…ごめんなさい、私、舞い上がっているわね」「…そんな」「あぁ…要さんもいればよかったのに…ごめんなさいね、急に出張になってしまって…其れで私たちの出かける予定もなくなってしまったのだけれど」「...

ふたりで初めてを 6話(終)

『…恵太くん…私の家に…行く?』私がそう云ったという事は──そういう事だと、恵太くんも解ってくれた様だった。『いいの?』少し躊躇いがちに訊いた恵太くんだったけれど、ギュッと握られた私と恵太くんの手と手は離れる事はなかったのだった。「あの…恥ずかしい話、俺…初めて、で…」「其れは、わ、私も」「…よかった、千春ちゃんの初めてが俺で」「うん…私も…恵太くんの初めてで嬉しい」「~~か、可愛い事、云わないで」「え…あっ...
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