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Bitter&Sweet 1話

小さい時から結婚というものは好きな人とするのだとずっと思っていた。だけど年齢を重ねると共に、本当に好きな人と結婚するというのは奇跡の様な事なのだと思い知った。「ぃや…あっ、厭厭ぁ!」「…」満足に濡れていない秘所に本番さながらにぐいぐいと挿入れてくる事ほど苦痛なものはなかった。引き攣れた痛みは頑なに挿入を拒む、まるで私の意思其のものだ。(どうして…どうしていきなり!)私は酷く混乱していた。だって訳の解...

Bitter&Sweet 2話

20歳の私に突然降って湧いた見合い話。しかも其の相手は父の友人であり恩人の男性。今は独身だけれど離婚歴があった。父を始め、私たち一家がとてもお世話になった人からの申し出を断る事が出来ず、一度逢うだけなら──という事で渋々お見合いをする事になった。「伊志嶺源治です」「…竹井由梨子、です」ホテルのレストランで会食というスタイルで始まったお見合い。形式ばったお見合いではないために仲立ちする人もなく、伊志嶺さ...

Bitter&Sweet 3話

指定された部屋まで行き扉をノックした。すると扉が開き、伊志嶺さんが顔を覗かせた。「あ、あの…父は」「…」私の問いかけに答える事無く、扉を大きく開けて中に入る様に促された。(もう、お父さんが出て来なさいよ)伊志嶺さんに面と向かって「帰ります」とは云い辛かったので仕方がなく部屋に入って父を捜した。「…あれ」だけど部屋の中には誰もいなくて特に酒盛り的な用意もされていなかった。「お父さん?何処」トイレに入っ...

Bitter&Sweet 4話

「やぁ、あ、あぁぁん」「…ふっ…ん」キスと同様に濃厚な前戯を施され、もう私の秘所はトロトロになっていた。だけど「!」伊志嶺さんの大きなモノが私の秘所にあてがわれた瞬間、一気に恐ろしい気持ちが競り上がって来た。「ぃや…いや…や、止めて下さい」「…」「挿入れないで…ください」「…」私は怖かった。だって…だって…「止めてぇ…」「…」涙を流しながら懇願したのに…「!」「…」両足をグッと持ち上げられ、伊志嶺さんの腰が大...

Bitter&Sweet 5話

放心状態のまま伊志嶺さんの運転する車でホテルを出た。建設会社の社長──という割には車は普通の国産のハイブリッド車だった。「…」静かな車内は酷く居心地の悪いものだった。もっとも何か話し掛けられても気を使って受け応える──という事は今の私には出来なかった。いくら恩義のある人とはいえ、其れをダシにレイプ紛いの事をされたのだ。そんな相手に今更礼儀正しくあろうとは思えなかった。(もう…絶対会わない)何が何でもこの...

Bitter&Sweet 6話

ホテルを出発してから30分程して車はとある大きな屋敷の中に入って行った。「…」私は既に伊志嶺さんに何かを云うのが怖くてずっと口を瞑ったままだった。とても高い塀に囲まれた、まるで城塞みたいな処だった。門をくぐってから数十秒走った処で屋敷の正面玄関に着いた。「降りなさい」「…」私は云われるまま車を降りた。すると「お帰りなさいませ」私たちを出迎えたのは体の小さなおばあさんだった。「…」伊志嶺さんは其の女性に...

Bitter&Sweet 7話

『あのね、あのね、ゆりね、ぜったい  くんのおよめさんになるの』『本当?』『ほんとう!だってゆり  くんのこと、だいすきなんだもん』『じゃあ僕がゆりちゃんの事、いつか迎えに行くからね』『うん!ゆり、ずっとまっているから!ゆりがおとなになったらぜったい  くんのおよめさんにしてね』…誰?大好きだったあの人の名前…なんていったっけ……「…ん」明るい日差しで目が覚めた。徐々に目を開けると其処は知らない風景だ...

Bitter&Sweet 8話

リビング同様広いダイニングでひとり朝食を摂る。お茶を淹れてくれた澄子さんにお礼を云いながら尋ねた。「あの…伊志嶺さんは」「おやまぁ、夫である旦那様の事を苗字でお呼びですか?」「あ…」「奥様ももう伊志嶺で御座います」「…」なんて答えたらいいのか言葉に詰まる。「旦那様は朝早くに出勤されました」「…そうですか」「今日は仕方がないとは思いますが、出来れば明日からはお見送りになられるとよろしいかと思いますよ」「...

Bitter&Sweet 9話

「旦那様、お帰りなさいませ」「あぁ」「…」夜20時過ぎ、伊志嶺さんが帰宅すると澄子さんに連れられて玄関まで伊志嶺さんを出迎えた。「…お、帰り…なさい」「ん」短い相槌と私に向けた視線。と、其の視線が私の指先で止まった。「何をした」「え」いきなり何を云われたのか解らなかった。だけどグイッと掌を握られ、私の爪を見ながら続けた。「爪の間が黒い──何をした」「あ、あの…」驚いた。確かに昼間の草むしりで軍手を通り越し...

Bitter&Sweet 10話

父の友人で私たち一家を救済してくれていた伊志嶺源治さんと突然のお見合い──そして会った其の日に結婚してしまってから早くも一週間が過ぎようとしていた。相変わらず朝早く出勤、夜遅い帰宅という生活サイクルの伊志嶺さんとはあまり顔を合わせる事無く、話をする機会も多くはなかった。其れは私自身、気が抜ける時間があったという事でとても助かっていたけれど、時折交わす短い会話や細やかな行動からほんの少しずつ伊志嶺さん...

Bitter&Sweet 11話

「堪能したか?」「あ、はい」お腹いっぱいに苺を食べて少し苦しかった。確かに苺狩りは堪能した。苺も美味しくてとても愉しいひと時を過ごした。だけど「あの…伊志嶺さん」「……」「…あ!…あの…源治、さん」「なんだ」「…」伊志嶺さんは私が『源治さん』と名前で呼ばないと返事をしない。結婚して同じ苗字になったのだから其れは当たり前なのかも知れないけれど、どうにも慣れない事でつい忘れてしまうのだった。「あの、これから...

Bitter&Sweet 12話

急に気分が悪くなった私を気遣って源治さんは走行途中にあったホテルに車を走らせた。【HOTEL】の文字を見た私はよからぬ想像をしてしまい、頑なに「大丈夫」と云い張ったのだけれど、其れを源治さんは聞いてくれなかった。「何もしない」「…」ホテルの部屋に抱きかかえられる様に入った時、短くそう云われた。其の言葉を其のまま信じていいのかどうか迷ったけれど、私をベッドに寝かせてから何故か源治さんは部屋を出て行ってしま...
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