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2017.08.28 (Mon)

Bitter&Sweet 1話



小さい時から結婚というものは好きな人とするのだとずっと思っていた。

だけど年齢を重ねると共に、本当に好きな人と結婚するというのは奇跡の様な事なのだと思い知った。








「ぃや…あっ、厭厭ぁ!」
「…」

満足に濡れていない秘所に本番さながらにぐいぐいと挿入れてくる事ほど苦痛なものはなかった。

引き攣れた痛みは頑なに挿入を拒む、まるで私の意思其のものだ。

(どうして…どうしていきなり!)

私は酷く混乱していた。

だって訳の解らないままに今日、初めて逢ったばかりの男に私は今まさに冒されているのだから──




事の発端はよくある話だった。

「え、お見合い?」
「あぁ、そうだよ」
「…」

ある日突然父から云われたこのひと言から全ては始まった。

うちは昔、大きな建設会社を経営していて其れなりに裕福な生活をしていた。

しかし自社関連の下請け業者の手抜き工事が多数明るみになり、其れを受けて一気に業績は低下。

私が高校に入学する前には父の会社は倒産してしまった。

巨額な負債を背負い、今までの裕福な生活は一気に極貧生活へと変わった。

其の煽りを受けて私も高校進学を諦め、進路を就職に変更しなくてはいけないと思っていた矢先に父の
古い友人という人から学費の援助を受ける話が舞い込んだ。

おまけに一級建築士だった父は其の友人の会社に就職する事が出来ていた。

つまりは其の父の友人のお蔭で私たち一家は過酷な極貧生活から苦しいながらも普通の生活を送れるまでになった──という訳だった。

高校在学中、私もバイトをしながら少しは家計を助け、そして少しずつ借金を返しながら短大にも進学する事が出来、先日なんとか其の短大を卒業していよいよ本格的に仕事を頑張ろう!と決意していた矢先に其の見合い話が舞い込んで来たのだ。


「お、お見合いって…なんでそんな突然」
「先方からのたっての希望なんだよ」
「先方って…一体誰」
「伊志嶺 源治(いしみね げんじ)」
「い、伊志嶺さん?!」

其の名前を訊いて私は愕然とした。

そう、伊志嶺さんというのは父の友人。

ずっと私たち一家を支えて来てくれた人であり、私が内定をもらった会社の親会社である建設会社を経営している社長でもあったのだ。

「どうして伊志嶺さんが私を──」
「由梨子は付き合っている人がいるのかい?」
「い、いないけど…」
「伊志嶺くんは離婚歴があるけれど、もう長い事独身だ」
「…だから?」
「きっと上手く行くと思うんだよ」
「…」

この何処か能天気な父は時々こういう訳の解らない事を云う。

だけど…

(其れにしたって今回の話は能天気という言葉では済まない範囲の話だと思う!)

「兎に角いい男なんだよ~本当。絶対由梨子好みなんだから」
「何よ其れ!…確か伊志嶺さんってお父さんよりも…」
「3歳下」
「?! 有り得ない!そんな42、3歳のおじさんとお見合いだなんて有り得ないよ!」
「頼むよ~一度だけ、一度会うだけ!伊志嶺くんがどうしてもってきかなくて…」
「…」

伊志嶺さんという人はいい大人のくせに、20歳の娘をどうにかしようと思う様な非常識な人だったのか?!

(変態だわ、エロオヤジだわ!)

私は伊志嶺さんに直接会った事がなかった。

世話になったといっても全て父を通しての事で、私は一度も伊志嶺さんという人と話した事もなかったのだ。

そんな人が私と見合いをしたいだなんて…

(そう考えるしかないじゃない!)

「恩のある人だからさ…断れないんだよ。お願い、一度会うだけでいいから、ね」
「…」


竹井 由梨子(たけい ゆりこ)

20歳の春先に受けた衝撃的な話に戸惑うばかりだった──

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2017.08.29 (Tue)

Bitter&Sweet 2話



20歳の私に突然降って湧いた見合い話。

しかも其の相手は父の友人であり恩人の男性。

今は独身だけれど離婚歴があった。

父を始め、私たち一家がとてもお世話になった人からの申し出を断る事が出来ず、一度逢うだけなら──という事で渋々お見合いをする事になった。



「伊志嶺源治です」
「…竹井由梨子、です」

ホテルのレストランで会食というスタイルで始まったお見合い。

形式ばったお見合いではないために仲立ちする人もなく、伊志嶺さんの方には誰も付添人がいなかった。

「由梨子、そう緊張しないで。ただの食事会と思えばいいんだから。ねぇ、伊志嶺くん」
「…あぁ」

私の方は父が付添人として来ていて、私と伊志嶺さんの間を仲介する様に最初から喋りっ放しだった。

「…」

初めて見た伊志嶺さんの第一印象は──【怖そう】だった。

父と同世代──父よりも3歳年下の42歳。

私とは22歳も違う男性だ。

背が高く体格のいい伊志嶺さんは口数が少なく、必要最低限の事しか話さなかった。

しかも

(私と目を合せようとしない)

常に仏頂面で其方から見合いを頼んで来たくせに其の態度はないんじゃないの?!と思わず思ってしまうほどに其の表情は硬かった。

「伊志嶺くんとお父さんは大学時代の先輩後輩でな、其の頃の伊志嶺くんは──」
「…」

正直おじさん達の昔話を訊いても楽しいと思える事は何ひとつなかった。

私にしてみれば父親と同世代のおじさん──という印象しかない。

逢うまでには多少何か色めき立つ想像もしていたけれど…

やっぱり実際会っても【恋人】というよりも【父親】というイメージの方が近い男性だった。

(こんな人に恋愛感情を持つなんて…絶対有り得ない)

私の其の思いは至極当たり前の思考だと思うのだった。






「はぁ…」

つまらない席を抜け出して化粧室で時間を潰した。

(お腹を壊してずっと座っていたとでも云おう)

かなり時間が経ってからレストランに戻ると席には誰もいなかった。

「?」

しばらく佇んでいると後ろから声を掛けられた。

「お客様、お連れ様から此方を預かっています」
「あ、どうも」

レストランのスタッフらしき人から手渡されたのはメモだった。

其処には父の字で部屋を移して続きをする──という様な主旨の事が書かれていた。

(続きをってお見合いの?お酒でも飲んでまた昔話に花を咲かせるつもりなの?)

私は先に帰るにしても一応ひと言云っておくべきだろうと思い、メモに書かれている部屋まで行く事にした。

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2017.08.30 (Wed)

Bitter&Sweet 3話



指定された部屋まで行き扉をノックした。

すると扉が開き、伊志嶺さんが顔を覗かせた。

「あ、あの…父は」
「…」

私の問いかけに答える事無く、扉を大きく開けて中に入る様に促された。

(もう、お父さんが出て来なさいよ)

伊志嶺さんに面と向かって「帰ります」とは云い辛かったので仕方がなく部屋に入って父を捜した。


「…あれ」

だけど部屋の中には誰もいなくて特に酒盛り的な用意もされていなかった。

「お父さん?何処」

トイレに入っているのだろうか──と思い振り向いた瞬間

「!」

いきなり伊志嶺さんが私を抱えてベッドに押し倒した。

「なっ」
「…」

伊志嶺さんの大きな体が私に覆いかぶさって身動きが取れなかった。

「あ、あの…」
「…」
「こ…これは、一体…」
「…」

どうしたって厭な予感しかしなくて体が小刻みに震えて来た。

そんな私に伊志嶺さんは性急に唇を重ねて来た。

「?!」

(キス──?!)

「んっ、んん!」
「…」

強く唇を押し付ける強引なキスに体中を使って抵抗するも、全くビクともしない。

其れをいい事に伊志嶺さんにいい様に唇を貪られてしまった。

(厭!厭厭厭!!)

おじさんとのキスに嫌悪感が競り上がって来て激しく身動ぎする。

だけど私の抵抗も虚しくキスは深いものになって行き、舌が絡み合う様な濃厚なものへと移行した。

「んっ、ふぅ、んんっ」
「…」

くちゅくちゅと舌同士が絡み合う一種独特の粘着質の音が静かな部屋に響く。

求められるまま舌を蹂躙され、私は既に強く抵抗する事を諦めてされるがままになってしまっていた。

(こ、これ…何っ)

こんな濃厚なキスは初めてだった。

勿論キスはした事がある。

舌が絡み合う様なキスだって多くはないけれど経験済みだ。

だけど今されているこのキスは今までのどのキスにも当てはまらないキスだったのだ。

「ん…あっ」

段々頭や体がジンジンと痺れて来て、何処も彼処も力が入らない様になって来た。

そんな私をキスをしながらジッと見つめていた伊志嶺さんが手慣れた様に私の衣服を脱がして行った。

「やっ!」

流石の私も其れには素早く反応して、精一杯抵抗した。

だけどキスの余韻の残るふにゃふにゃになっている体は思う様にならず、あっという間にあられもない姿にされてしまっていた。

(なんで…なんでこんな事に!)

まるで嵐の様な怒涛の展開に私の頭は上手く回っていない状態だった。

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2017.08.31 (Thu)

Bitter&Sweet 4話



「やぁ、あ、あぁぁん」
「…ふっ…ん」

キスと同様に濃厚な前戯を施され、もう私の秘所はトロトロになっていた。

だけど

「!」

伊志嶺さんの大きなモノが私の秘所にあてがわれた瞬間、一気に恐ろしい気持ちが競り上がって来た。

「ぃや…いや…や、止めて下さい」
「…」
「挿入れないで…ください」
「…」

私は怖かった。


だって…


だって…



「止めてぇ…」
「…」

涙を流しながら懇願したのに…

「!」
「…」

両足をグッと持ち上げられ、伊志嶺さんの腰が大きく私に迫った。

「あ!あっ、や…ぃやっ、いやぁ!!」
「…」

先刻まで蕩けていたであろう秘所は恐怖心から既に乾ききってしまっていた。

「痛ぃ…痛い!」
「…」

何故か伊志嶺さんも苦痛に顔を歪ませながらグッグッと腰を押したり引いたりしている。

「ひっ!あっ、はぁ…あっ、あぁぁぁぁぁぁぁっ」
「───くっ」

引き攣れた皮膚をジリジリと裂く様に、絶対挿入ることなんて出来ないと思っていたモノが無理矢理私の中にギッチリ埋まる感覚がした。

「ひっ…ひっく…ひっ、ひっ」
「──まさか」

ぐちゃぐちゃに泣いている私に向かって、其処で初めて伊志嶺さんが口を開いた。

「…初めて、なのか?」
「う…うっ、うぅ…」

この人は処女を抱いた事がないのだろうか?

其れとも処女だと知っていながらあえて冒したのだろうか?

其の短い言葉からでは何も解らなかった。

「初めて、だったのか」
「…止めて…って…云った…のに…」
「…」

私の一生懸命のお願いを聞いてくれなかったこの人の事が怖いと思った。

怖い──と同時に、其の野獣の様な行為が恐ろしくて私は暫く其の場で泣く事しか出来なかった。

「…」

伊志嶺さんは私の中に挿入れていたモノを抜き、出血しているのを確認するとそっとティッシュで拭いてくれていた。

「…」

大きな体を縮込ませながら私の秘所を丁寧に拭いていた。

そんな伊志嶺さんに掛ける言葉が見つからず、私はただ泣きながら黙ってされるがままになっていた。



──こうして私はあっけなく処女ではなくなってしまったのだった


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2017.09.01 (Fri)

Bitter&Sweet 5話



放心状態のまま伊志嶺さんの運転する車でホテルを出た。

建設会社の社長──という割には車は普通の国産のハイブリッド車だった。

「…」

静かな車内は酷く居心地の悪いものだった。

もっとも何か話し掛けられても気を使って受け応える──という事は今の私には出来なかった。

いくら恩義のある人とはいえ、其れをダシにレイプ紛いの事をされたのだ。

そんな相手に今更礼儀正しくあろうとは思えなかった。

(もう…絶対会わない)

何が何でもこの話は断ろうと思った。

断れるはずだと思った。

場合によっては訴える事だって出来る事をされたのだ。

ただ…

其処までは出来ない相手だ。

哀しいかな泣き寝入りするしかないのかも知れない。

だけど、だからこそこの状況は私側の方に決定権がある様に思える。

私は頭の中で必死に冷静になれる様に色んな事を考えた。

何かを考えていなければどうにかなってしまいそうな程に動揺しているのだから。


──そして気が付く


(…あれ?)

少し前からおかしいなと思っていたけれど、其れは時間が経つにしたがって確信的になった。

「あ、あの」
「…」

伊志嶺さんは相変わらず喋らない。

「車、何処に向かっているんですか?私の家は千川方面なんですけど…」
「知っている」
「じゃあなんで」
「…」

其れっきり黙り込んでしまった伊志嶺さんの様子からどうしたって厭な予感しかしなかった。

(まさか…)

不安は頂点に達した。

「降ろしてください!」
「…」
「まさか…家じゃない処に向かっているんですか?!」
「…」
「伊志嶺さん!」
「黙れ!!」
「!」

大きな声で怒鳴られ一気に萎縮した。

(怖い!)

先刻の行為がオーバーラップして尚更怖さは増した。

今、私は確かに日常に身を置いているはずなのに、何処か非日常の状況が展開されている様で、もう何ひとつこの先の事を考える事が恐ろしくなってしまっていたのだった。

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