ミリON★オーダー 19話

<暴言>酷く静かな空間だった。私の部屋の中には私と千太郎のふたり。其れは当然だ。今日は千太郎が私の子守り当番なのだから。「──おい…おまえ、何を云っているのか…解かってんのか」「解かっている。千太郎を婿として選ばない、と云っている」「!」「私の思惑通り、私の事を好きになったあんたにハッキリ云ってあげる」「……」「私はあんたとは結婚しない」「! おまえっ」激昂した千太郎が私をベッドに押し倒した。両腕をベッ...

ミリON★オーダー 18話

<花鳥>ひょんな事から重病人扱いされ部屋に戻された私。京が呼んで来てくれた主治医が聴診器を当てながらしかめっ面をしている。「…ねぇ、花鳥。なんでそんなにしかめっ面なの」「あぁ?しかめっ面なんてしていない。ただ再放送のトレンディードラマを観ている途中で呼び出されて多少ムカムカしているだけだ」「其れは悪かったわね。なんていうドラマ?Blu-rayで買い揃えるわよ」「いらん!テレビでリアルタイムに観るからいいの...

ミリON★オーダー 17話

<正義の味方>『ちょっとあんた、昨日また乾くんと一緒に帰ったって本当?!』『最近、やたら仲良さげにしてるじゃない、なんなの?』『ちょっと男子にモテるからっていい気にならないことよ!乾くんはあたし達みたいな上流階級の女子しか相応しくないんだからね!』『そうそう、あんた何処のお嬢様なの?!どうせわたし達にはいえないような下級層の子どもでしょう?!』『陣内なんて財閥、知らないもんねぇ』『あなた達、そんな...

ミリON★オーダー 16話

<本音>今日は朝から大学の講義を受け、昼には軽く食堂のおばちゃんと会話をしつつ昼食を取り午後からの講義に備えていたのだが。(──休講)掲示板に貼られていた案内で予定していた講義がなくなった事を知った。(時間が出来てしまったな)急に出来た時間に大きく予定を狂わされた気分になり、やや不機嫌になる。今日の【子守】はオレの順番だったが大学での講義が一日あったために休ませてもらう事にしていた。しかし突如として...

ミリON★オーダー 15話

<核心>午後8時過ぎ──オレは彼の携帯にメールを送信して、待ち合わせ場所である図書室にて彼の到着を待った。場所を図書室に選んだのは単に彼を待っている間に本が読めるからという単純な理由からだったのだが。キィィィィ図書室の扉が開く細い音が聞こえた。(来たのか?)思ったより早かったなと思いながら入口の方を見た。「あっ、不二宮さん。お待たせしました」「いや、呼び出してすまなかった」(相変わらず綺麗な顔をして...

ミリON★オーダー 14話

<初恋>今日はやっと待ちに待った彼との一日。じっくり逢って話すのは今日が初めてで少し緊張している。でも…嬉しい、愉しみという気持ちの方が勝っているの。「お嬢様、上機嫌ですわね」「えっ!そ、そんな事、ないよ」「…」あぁ…萩は無駄に鋭いからバレバレかな…(そういえば…萩は不二宮を推していたっけ)萩も菊も私のためをと思って、今考えられるだろう最高の男を紹介してくれたと思う。確かに不二宮も千太郎も…いい男なんだ...

ミリON★オーダー 13話

<あの日の事>遡る事、数日前──あの人に初めて逢ったあの日の朝に、私は萩から婿候補のふたりの事を訊いた。ひとりは真面目で神経質そうな印象が強く、ふたりめは初等部の時の知り合いだった。共に今、私にあてがうのに条件のよい最高の血筋だという事で選出されたふたりだった。しかし私はどちらの男に対して何も感じなかった。写真で顔を見てもなんの感情も湧かず、履歴を読んでも頭と目は文字を素通りし、これっぽっちも気持ち...

ミリON★オーダー 12話

<名前>都会の中に突如ポッカリ開いたかのような緑の木々に囲まれた空間にとても瀟洒な巨大建築物が建っている。不動産登記簿上は【マンション】という事になっているのだが、其の中身は【マンション】というよりも【宮殿】と呼ぶにふさわしいものだった。此処は日本屈指の大財閥陣城寺家の一人娘、陣城寺未梨だけのための住まいだった。マンション内は日々を住み暮らすためだけの部屋があるばかりではなく、飲食、娯楽関係を始め...

ミリON★オーダー 11話

<幼馴染>「うっわぁぁーなんじゃこりゃぁぁぁー!」おれは今、猛烈に感動していた。「どうぞ、お好きに使ってください」「当然、遠慮なんてしないぜ!」「…」今日はおれがお嬢の子守り当番。どーしたものかと思案しているとお嬢から『あなたが喜びそうな処に案内する』と云われ連れてこられた処が此処、マンション内にある広いジム施設だった。「しっかしどんだけ広いんだよ、このマンション」「さぁ、私にもよく解かりません」...

ミリON★オーダー 10話

<朝のひととき>「あっ、不二宮さん」「あぁ、中務くん」「今から食堂ですか?」「そうだが」「ご一緒していいですか?」「構わないが、オレと食事をしてもつまらないと思うぞ」「いいんです。食事はひとりでするより他の人と一緒に取るのが好きなので」「…君らしいな」「え?」「いや、じゃあ行くか」「はい」朝食を摂りにレストランへ行く途中で不二宮さんに会い声を掛けた。正直威圧的な雰囲気に一瞬怯んだが、人を見かけで判...

ミリON★オーダー 9話

<豹変>オレは只今【子守り】中だ。豪華ではあるが意外とシンプルな部屋に、どう見ても小学生の女性と向かい合わせで座っている。「オレは大学で薬理学を専攻しているのだが、君の学力レベルはどの程度なのだろうか」「一応大学で経営管理論を中心に経営学全般を一通りかじった…って感じなんですけど」「失礼な質問なんだが、あなたの其の姿で大学に通うというのは周りから好奇の目で見られたりしなかったのだろうか」「大学とい...

ミリON★オーダー 8話

<日替わり>突然俺に舞い込んだとんでもないバイト話。大財閥の一人娘である陣城寺 未梨に跡取りとなる男子を産ませるという仕事内容。しかし其のお嬢様は実年齢は22歳だか、見かけや身体的成長は12歳の時で止まっているという特殊仕様。お嬢様自身が恋をして其の恋した男の子どもを身ごもりたいと思うようになれば体が其のように変化する…ということなのだが…(果たしてそんな雲を掴むような事が出来るんだろうか?!)婿候補は...

ミリON★オーダー 7話

<12歳の花嫁>俺達婿候補三人の前に姿を現した陣城寺家のお嬢様に一同絶句した。「…初めまして、陣城寺 未莉(ジンジョウジ ミリ)です」(この子…あの時ぶつかった子!)俺は彼女に最初に出逢った時の事を思い出していた。彼女本人からバイトの招待状を手渡されたのだから間違いがなかった。「──おい、これはどういう事だ」「…あ…あぁ、どーいう事だよ」「こちらがわたし達の主である、未梨お嬢様です」「お嬢様は小学生だったのか?...